藤川五郎は、三木本への義理から沢田を狙っていた。その沢田は三木本の子分新関の短刀を脇腹に受け、五郎に妻亜紀のことを頼むと言い残し息をひきとった。やがて、沢田組がつぶれたのは、三木本のイカサマ賭博のためと知った五郎は、賭場から三百万円をわしづかみにすると亜紀のところへ走った。そして亜紀と子分久保を連れて熱海を出た。ところが、列車が横浜に近づいた時、亜紀が突然倒れた。五郎は亜紀を入院させると、波止場で働きはじめた。五郎はそこで昔仲間の相良に会った。一方、新関は五郎を追って横浜へ来ると、古賀に援護を求めた。そんな折、相良は彼の妻百合に五郎を紹介した。百合はすでに五郎の境遇について知っており心を痛めた...